コーンフレークは煩悩の塊
ミルクボーイの1本目のネタ「コーンフレーク」
内容は、「好きな朝ごはんを忘れてしまったお母さんのため、手がかりからその朝ごはんを当てる」というもの。
「甘くてカリカリして牛乳とかかける」という手がかりからコーンフレークだとわかる一方で、「死ぬ前の最後のご飯はそれで良い」という手がかりからコーンフレークではない、といった問答が繰り返されます。
「コーンフレークや」「コーンフレークと違う」が繰り返され、「コーンフレークは煩悩の塊」というワードが出たときには笑い過ぎて涙が出ました。
漫才を見て笑うことは多々ありますが、涙が出るほどの漫才は、思い出せません。
そして、もう一組の漫才にも涙してしまいました。ぺこぱです。
悲しみが浮かんで見える
なぜ、ぺこぱの漫才を見て泣いてしまったのか。
私が見たのは順番に、
- M-1グランプリ2019
- M-1打ち上げ
- M-1グランプリ2019(ミルクボーイの1本目、ぺこぱの1本目、2本目)
でした。
「M-1打ち上げ」は、千鳥の二人が司会で、M-1の出場コンビと酒を交えて語る番組です。
M-1を通しで見た後、打ち上げを見て、M-1のミルクボーイ1本目とぺこぱを見直しました。
ミルクボーイの1本目を見たのは、もう一回見ても笑うのか確認したかったから。
やはり、もう一度見ても笑いました。
ぺこぱを見たのは、今までの背景を知った上でもう一度見たかったから。
今までの背景といっても、私が知ったのは表面的な部分だけです。
- 審査員の巨人さんが言った、ぺこぱの漫才への姿勢
- 千鳥の二人と話した、ぺこぱの迷走(着物を着たりローラーブレードを使ったりした漫才。事務所を退社し、フリーになり、別の事務所に所属など)
ぺこぱの漫才を見たのはM-1が初めてです。
冒頭感じたのは、ビジュアル系っぽいなあ、相方へらへらしてるなあ、といったもの。長髪の髪を振り回すのも、キャラものっぽくて嫌でした。
ですが、漫才が終わったときには印象ががらっと変わっていました。
そして、巨人さんの話、千鳥の二人との会話があり、もう一度ぺこぱの漫才を見たとき、目が充血し、涙が出たのです。
それは、
- 長髪の髪を振り回しながらボケを否定しない松陰寺さん
- へらへらしながら笑顔を絶やさないしゅうぺいさん
の背後に、二人の悲しみが見えたからです。
もちろん私が勝手に想像を膨らませたものであり、他のコンビも同様に努力や挫折を繰り返したうえでの出場なのでしょう。
ただ、ぺこぱの二人のキャラクターと、風刺のきいた優しい漫才が、二人の背後にある悲しみを際立たせているように見えてしまったのです。