文章を論理的に読む方法
本書は、大学受験向けの参考書です。
私は社会人ですが、文章の読解力を上げたいので、手に取りました。
これを読む前に、『船口のゼロから読み解く最強の現代文』を読みました。
感想はこちらです。
本書は、それより「やさしく」語られています。
例えば、論理的についての説明で、
<論理>とは、順番に考えていけばわかるような筋道のこと
(中略)
考えが順番にわかりやすくとおっているような状態を<論理的>
論理的に文章を読みたい人におすすめです。
助詞・接続詞・指示語
論理を正しくするために、助詞・接続詞・指示語があると、田村さんは言います。
現代文で最も重要な言葉は「助詞・接続詞・指示語」である
助詞の例:「が・は・を・に・と・の・より・から・しか」
特に、「が」「も」「は」の使い分けが大事だそうです。
- 僕が食べる
- 僕も食べる
- 僕は食べる
1~3で、「僕」以外が食べたがっていないのはどれか、という例題がありました。
- 僕「が」だけでは、僕以外が食べたがっていて「僕が食べる」と言っているのか、僕以外が食べたくなくて「僕が食べる」と言っているのか、わからない
- 僕「も」は、僕以外に食べたい人がいるのがわかる
- 僕「は」は、僕以外に食べたい人がいないから「僕は食べる」と言っているのがわかる
「も・は」は、直接書いていないことまでわかる助詞である
一文字で、書いていない状況までわかってしまうわけですね。
次に接続詞についてです。
- 「だが、しかし」(逆接)
- 「だから、したがって」(順接)
- 「そして」(順番につながっているだけ)
- 「つまり、つなわち」(前のことを言い換えて説明)
- 「むしろ」(前の言い方を正しく言い直す)
- 「ところで」(場面や話を変える)
- 「また」(違う事柄を並べる)
- 「または」(どちらかを選ぶ)
「逆接」が重要だと言います。
<逆接>の接続詞は、そのあとの内容が重要であることを示す
(中略)
<逆接>の接続詞の前の事柄は、その文章で重要性がない
指示語について。
「この・その・あの・どの」といった指示語はなじみがありますが、
指示語には「まとめ」の働きをするものがあると、田村さんは言います。
「こうして」「このように」には、<まとめ>の働きがある。
また、
「のだ・のである」は、後ろから前を<説明>する働きをもっている
本書では、「助詞・接続詞・指示語」を使って、論理的に読解しています。
言葉として書かれていることだけを考えるのが<論理的・客観的>になる方法である
ちなみに、問題文に掲載されている、古井由吉さんの『雪の下の蟹』が良かったので(雪国の田舎で火事を起こした人が、どういう仕打ちに合うかという話)、全文を読もうと思います。