主人公に同化する
新参も新参です。
ジャンプ連載中にマンガを読んでいたわけでもなく、
放送中にアニメを見ていたわけでもありません。
映画の興行収入がニュースになるようになってから、そんなに話題なら映画を観ようと思いました。
しかし、映画はアニメの続編だと知りました。
アニメの続編の映画化で、興行収入が伸びていることに驚きました。
そんなアニメ作品、今まであっただろうかと考えてみましたが、ヱヴァンゲリヲンしか思いつきませんでした。
それほどすごい作品なんだと期待をし、まずはAmazonプライムでアニメを観ました。
1話でいきなりグロテスクなシーンがあります。
山で幸せに暮らしていた家族が、突然、何者かに虐殺されているのです。
主人公は、山を離れていたため、虐殺からは逃れるのですが、家族が無残にも殺されている姿を目の当たりにします。
かろうじて息がある妹を、主人公は背負い、山を下ります。
ですが妹は、鬼に変わっていました。
家族を襲ったのは鬼だとわかります。鬼は人を食らい、生きていく存在です。
ただ、人を食らう鬼に変わった妹は、主人公を食いません。
主人公は、鬼に変わってしまった妹を、人間に戻す旅に出かけます。
主人公は弱いです。
弱いですが、誠実で、真面目で、何にでも一生懸命です。
主人公は諦めません。無理とわかっても、決して諦めず、何度も立ち上がります。
そもそも、家族が殺された現場を見て、妹だけはまだ息があるからと、背負って山を下りることができるでしょうか。
私なら、打ちひしがれて、その場から離れることはできないでしょう。
主人公は違います。最悪の状況でも、最善を尽くします。
当然、鬼になった妹を人間に戻すためだったら、どんな苦労もいといません。
そんな主人公の姿に、心を打たれます。
自分が弱いことを知っていてもなお、相手に立ち向かう。やられても、死にそうになっても、何度でも立ち向かう姿に、心が震えます。
そして、努力の末、壁を破ったとき、認められます。
絶対無理だと思う関門を突破したとき、最大限に認めてくれる人がいます。
褒めてもらった主人公は涙を流します。つられて私も涙が流れてしまいました。
ああ、よかったな、と思います。報われてよかったなと、主人公と同化して思うのです。
このアニメは、見ている人が、主人公に同化できる作品です。
- 弱い主人公に、
- 弱いと自覚している主人公に、
- それでも諦めずに努力する主人公に、
見ている私自身が、同化しています。自分の姿を投影しています。
時代背景や、やっていることは、全く違いますが、
――主人公は、頑張っててすごいな。自分も頑張りたいな。
自然とそう思わせてくれます。
続編である映画の感想はこちらです。