ポケモン愛に溢れたエンドロール
子どもの頃から慣れ親しんだ「ポケモン」の実写化です。
映画の予告でピカチュウが人間の言葉を話していて、観ることはないと思っていました。
アニメ「ポケットモンスター」で、ピカチュウは人間の言葉を話しません。
ですが、映画の予告では、ピカチュウがおっさんの声で話していました。
子どもの頃に慣れ親しんだアニメを冒涜された気分になりました。
それからしばらく経ち、たまたまYouTubeで「名探偵ピカチュウ」のエンドロールを見たときは、驚きました。
馴染みのあるポケモンの曲に、アニメのポケモンたちが出てきたからです。
それでもまだ、作品自体を観ることはありませんでした。
そして今回、Amazonプライムで視聴できることを知りました。
面白半分で見始めました。
主人公の青年が最初に捕まえようとしたポケモンが「カラカラ」だったことで、一気に興味を引きました。
私は、ポケットモンスター赤緑、金銀にどっぷりはまった世代です。
カラカラが「こどくポケモン」であることや、頭にかぶっている骨が死んだ母親のものだと知っています。
また、カラカラはメインのポケモンかというと、そうではありません。
ですが、主人公が友達のいない孤独な青年で、母親が死んでいることとリンクさせるためにカラカラを登場させるあたり、映画製作者のポケモンへの愛を感じました。
他にも、
- コダックをパートナーにする女の子(アニメのカスミを彷彿とさせる)
- プリンの歌、消火活動するゼニガメ(アニメと同じ)
- 実験室から抜け出すミュウツー(ミュウツーの逆襲に似ている)
など、アニメと関連性があり、実写化だからといって、アニメの設定を無視していないところに好感が持てました。
さらに、登場するメインポケモンが、最新のポケモンではなく、ピカチュウやリザードン、コダック、ミュウツーなど、初代からいるポケモンなのも見やすいです。
ピカチュウがおっさんの声で話しているのは、主人公にしか人間の声に聞こえない設定だったので、抵抗なく観られました。
そして、なんといってもエンドロール。
すでにYouTubeで観ていましたが、やはり良かったです。
ポケットモンスター赤緑のゲームと同じ映像から始まり、映画で出てきたポケモンや登場人物がアニメで描かれます。アメリカの映画なのに、「こうかはバツグン」などの日本語の表記もあります。
アニメを映画で実写化し、エンドロールでアニメに戻すという手法。
ポケモン愛に溢れ、魅せるエンドロールです。
正直、映画のストーリー自体にすごく面白みがあるかといえば、そうではありません。
ですが、ポケモンと人間が共存している世界観や、アニメやゲームの設定を映画に反映させた作りが良いので、ストーリーの稚拙さに目をつぶることができます。
ぜひ次回作を観たいし、次が出たら映画館で観るでしょう。