いっちの1000字読書感想文

平成生まれの30代。小説やビジネス書中心に感想を書いてます。

『デッドライン』千葉雅也(著)の感想【3回読んでもわからなかった】(野間文芸新人賞受賞、芥川賞候補、三島賞候補)

3回読んでもわからなかった 芥川賞、野間文芸新人賞の候補のときに2回 今回三島賞候補で1回 計3回読みました。 前回読んだときの感想はこちらです。 わからないことが多い小説です。 例えば、主人公が「○○くん」と呼ばれていること。固有名詞が与えられてい…

『pray human』崔実(著)の感想【話を聞いてくれた人のことは忘れない】(三島賞候補、野間文芸新人賞候補)

話を聞いてくれた人のことは忘れない 27歳の主人公は、精神病院で同室だった「君」に、語ります。 主人公が17歳、「君」が22歳のときに、二人は精神病院で出会いました。 主人公が「君」に語る内容は、 現在の主人公の話 同じ精神病院に入院していた「安城さ…

『湯治』高橋弘希(著)の感想【体の傷と心の傷を癒す一人旅】

体の傷と心の傷を癒す一人旅 総合商社に勤める34歳の主人公は、足柄の民宿へ、湯治に行きます。 少年時代に、鉄棒から落ちたときの膝の古傷を癒すためです。 妻は会社を休めなかったので、主人公は一人で旅に出ます。 湯治に行くことにしたのは、同僚に勧め…

『うどん キツネつきの』高山羽根子(著)の感想【タイトルの意味】(創元SF短編賞佳作)

タイトルの意味 タイトルに、ぞわぞわします。 「うどん キツネつきの」 倒置法です。 「キツネつきのうどん」ではありません。 なぜ、倒置法なのか 「キツネ」はうどんに乗せる揚げなのか さらに副題が付けられています。 「Unknown Dog Of Nobody」 「誰に…

第163回芥川賞受賞作発表、会見、選評(2020年上半期)の感想

第163回芥川賞受賞作発表 2020年7月15日(水)、芥川賞の受賞作が発表されました。 ダブル受賞です。 高山羽根子『首里の馬』 遠野遥『破局』 首里の馬 作者:高山羽根子 発売日: 2020/07/27 メディア: Kindle版 破局 作者:遠野遥 発売日: 2020/07/04 メディ…