いっちの1000字読書感想文

平成生まれの30代。小説やビジネス書中心に感想を書いてます。

アニメ「ウマ娘 プリティーダービー(2期)」の感想【ヒールかヒーローか】

ヒールかヒーローか

1期の感想はこちらです。

1期と2期で主人公が違います

1期の主人公が、2期では主役でないことに、最初は抵抗がありました。

1期では活躍していたのに、2期で活躍するレースがないからです。

史実に即してアニメを作る場合、1期と2期の主人公は活躍時期が違うので、一緒に走るレースがないのでしょう。

レース以外でも、1期の主人公が活躍する場面は、ほぼありませんでした。

他の1期の主要メンバーのように、海外遠征でいないならわかります。

しかし、同じチームのメンバーを2期の主人公にしているので、1期の主人公は同じ画面に映ることが多いです。

同じ画面に映るのに、レースでの活躍が見られないのは、焦れったさがありました。

主役が主役の座から陥落した感じで、寂しかったです。

ですが、寂しさは徐々に慣れていきました。

主役が誰かという考えに、とらわれなくなりました。

そう感じさせてくれたのは、ライスシャワーというウマ娘です。

ライスシャワーは、多くの観客にとってヒールでした。

人気のウマ娘が、「このレースで勝てば3冠、3連覇」など、大きな称号を目の前にしたレースで、ライスシャワーが勝利して阻みます。

観客の多くは、人気のウマ娘の勝利を期待していたため、ライスシャワーが勝っても、よく思われませんでした。

現実のライスシャワーも、ヒールのような扱いを受けていたようです。

JRAのCMで、ライスシャワーは、

ヒールか、ヒーローか

というキャッチコピーで紹介されていました。

競馬は、人気がある馬が勝つわけでも、強い馬が勝つわけでもないでしょう。

勝った馬が強いのです。

ヒールと呼ばれようが、ダークホースと呼ばれようが、勝った馬は称賛されるべきです。

負けた馬の走りに、観客が𠮟咤激励を飛ばすなら、まだわかります。

勝った馬に、なんで阻止するんだというような観客の罵倒は、許されるものではありません。

3連覇や3冠を見たい、観客の気持ちはわかります。

ですが、勝った馬をブーイングする理由にはなりません。

ましてや、最速レコードを更新したなら、なおさら讃えられるべきです。

レースに出ても観客に喜ばないと思ったライスシャワーは、レースに出ないと言います。

ライスシャワーを救ったのは、以前ライスシャワーに負かされ、3冠を阻止されたウマ娘でした。

あなたは私のヒーローだからです

と、ライスシャワーに負けたウマ娘は言います。

あなたはヒールじゃない、ヒーローなんです

レースで勝ったライスシャワーは、多くの観客からは祝福されませんでしたが、一部の観客や、一緒に走ったウマ娘からは拍手されます。

勝ってブーイングに傷ついたライスシャワーに、ヒーローだと言ってくれたウマ娘が言います。

ブーイングはチャレンジャーの勲章です。傷つく必要はありません。でもいつか、これが歓喜と祝福の声になる日は必ず来ます。あなたが勝ち続ければ、きっと。

ヒールを主人公にした回を見たら、主役が誰とかは、気にならなくなりました。