ヒールかヒーローか
1期の感想はこちらです。
1期と2期で主人公が違います。
1期の主人公が、2期では主役でないことに、最初は抵抗がありました。
1期では活躍していたのに、2期で活躍するレースがないからです。
史実に即してアニメを作る場合、1期と2期の主人公は活躍時期が違うので、一緒に走るレースがないのでしょう。
レース以外でも、1期の主人公が活躍する場面は、ほぼありませんでした。
他の1期の主要メンバーのように、海外遠征でいないならわかります。
しかし、同じチームのメンバーを2期の主人公にしているので、1期の主人公は同じ画面に映ることが多いです。
同じ画面に映るのに、レースでの活躍が見られないのは、焦れったさがありました。
主役が主役の座から陥落した感じで、寂しかったです。
ですが、寂しさは徐々に慣れていきました。
主役が誰かという考えに、とらわれなくなりました。
そう感じさせてくれたのは、ライスシャワーというウマ娘です。
ライスシャワーは、多くの観客にとってヒールでした。
人気のウマ娘が、「このレースで勝てば3冠、3連覇」など、大きな称号を目の前にしたレースで、ライスシャワーが勝利して阻みます。
観客の多くは、人気のウマ娘の勝利を期待していたため、ライスシャワーが勝っても、よく思われませんでした。
現実のライスシャワーも、ヒールのような扱いを受けていたようです。
JRAのCMで、ライスシャワーは、
ヒールか、ヒーローか
というキャッチコピーで紹介されていました。
競馬は、人気がある馬が勝つわけでも、強い馬が勝つわけでもないでしょう。
勝った馬が強いのです。
ヒールと呼ばれようが、ダークホースと呼ばれようが、勝った馬は称賛されるべきです。
負けた馬の走りに、観客が𠮟咤激励を飛ばすなら、まだわかります。
勝った馬に、なんで阻止するんだというような観客の罵倒は、許されるものではありません。
3連覇や3冠を見たい、観客の気持ちはわかります。
ですが、勝った馬をブーイングする理由にはなりません。
ましてや、最速レコードを更新したなら、なおさら讃えられるべきです。
レースに出ても観客に喜ばないと思ったライスシャワーは、レースに出ないと言います。
ライスシャワーを救ったのは、以前ライスシャワーに負かされ、3冠を阻止されたウマ娘でした。
あなたは私のヒーローだからです
と、ライスシャワーに負けたウマ娘は言います。
あなたはヒールじゃない、ヒーローなんです
レースで勝ったライスシャワーは、多くの観客からは祝福されませんでしたが、一部の観客や、一緒に走ったウマ娘からは拍手されます。
勝ってブーイングに傷ついたライスシャワーに、ヒーローだと言ってくれたウマ娘が言います。
ブーイングはチャレンジャーの勲章です。傷つく必要はありません。でもいつか、これが歓喜と祝福の声になる日は必ず来ます。あなたが勝ち続ければ、きっと。
ヒールを主人公にした回を見たら、主役が誰とかは、気にならなくなりました。