いっちの1000字読書感想文

平成生まれの30代。小説やビジネス書中心に感想を書いてます。

『人生、何を成したかよりどう生きるか』内村鑑三、佐藤優(著)の感想【「後世への最大遺物」現代語訳】

「後世への最大遺物」現代語訳

本書は、

  • 内村鑑三の講義「後世への最大遺物」の現代語訳
  • 佐藤優の解説(「後世への最大遺物」を今読む人へ)

の二部構成です。

以前、私は岩波文庫版の「後世への最大遺物」を読みました。

感想はこちらです。

こちらを読んでる人は、本書を読まなくていいと思います。

「後世への最大遺物」自体が未読の方は、現代語訳と解説のある本書をおすすめします。

岩波文庫版を読んでいた私には、さほど目新しさは感じませんでした。

本書は若者に向けて書かれてはいますが、自分自身が、決して恵まれた立場になく、優れた才能を持っているわけでもない、弱い人間として、不条理な世の中を生き抜かなければならないときに、どうやって元気を取り戻したらいいのかを徹底的に考え、その考えをあますところなく披露した本です

岩波文庫版にも同じようなことが書かれてます。

お金をもうけ、事業、思想を残す、本を書く、教育者になる、そして、それらを試してかりにうまくいかなくても、生き方がまっとうならば救われるということを書いています

「生き方がまっとうならば救われる」部分が、私にとっては、腹にすとんと落ちませんでした。

これは、岩波文庫版で読んだときにも感じたことです。

生き方がまっとうなのを前提に、「お金をもうけ、事業、思想を残す、本を書く、教育者になる」のいずれかに挑戦することが、重要だと感じました。

その中でも私は、

  • 思想を残す(本を書く)
  • 教育者になる

どちらかができれば、後世への遺物になると考えます。

お金をもうけたり、事業を残したりするよりは、やさしいと内村鑑三は言っており、私もそのとおりだと思います。

事業を残すのは一人ではできませんが、思想を残す(本を書く)のは、一人でできます。

教育者になるのも、学校教育では一人だとできませんが、一対一のコーチングやカウンセリングなどは、一人でできます。

一人で後世に残せる仕事は、書き残すか伝え残すかでしょう。

佐藤さんの解説で、面白いと感じた部分があります。

軽井沢や箱根という別荘地は、第二次世界大戦のときに、それぞれ、中立国の大使館や公使館が避難していた土地でした(軽井沢はスイス、スウェーデンなど、箱根はソ連)このため、この二箇所には、絶対に爆撃が行われないことになっていました

もし日本で戦争が始まったら、

  • 軽井沢
  • 箱根

に避難するのが良さそうです。

もっと言えば、中立国の大使館や公使館がどこに避難したかを把握し、そこへ避難すればいいと、考えました。

中立国の大使館や公使館の避難先を把握できればいいですが、できないなら、軽井沢や箱根に逃げ込むのも悪くない選択です。

第二次世界大戦の前例を踏襲する可能性があるからです。

これは、歴史を知らなければ導き出せない選択です。

佐藤さんの解説を読むと、歴史を勉強しないといけないと、思わせられます。

歴史というか情報というか、知ってると知らないでは、選択に違いが生まれます。

情報過多で取捨選択できなくなるのは良くないにしても、なるべく多くの情報を知っておくことに、価値はあると感じました。