概要
三浦しをんさんの小説を原作にしたアニメ、全23話。
竹青荘という学生寮に下宿する大学生10人が、箱根駅伝を目指す話。
主要人物
- ハイジ:寛政大学4年。竹青荘の寮長。食事や掃除などを一手に引き受ける。高校時代はけがにより走ることを断念したが、偶然見かけたカケルの走りに感動し、カケルを竹青荘に呼ぶ。寮生に箱根駅伝への出場を呼びかける。
- カケル:寛政大学1年。高校時代に勝利至上主義の監督を殴ったことで退部する。陸上から遠ざかった天才ランナー。カケルの走る姿を偶然見たハイジから声をかけられ、陸上の道に戻ってくる。
傷を負っている登場人物たちが目指す箱根
箱根駅伝を目指す竹青荘の住人は皆、傷を負っています。
ハイジは高校時代のけが、
カケルは監督を殴ったことで出場停止になった経験があります。
他の登場人物も、
- 母親の再婚で自宅に居場所がなくなったり、
- 地元では神童ともてはやされていたものの実際はそうではなかったり、
- 何年も留年し続けていたり、
- 就職活動が一向に決まらなかったりと、
箱根駅伝を目指すという表側に対して、裏側に抱えるものがあります。
だからこそ、彼らの感情表現は豊かで、表情の描き分けが多彩です。
そんな住人たちが目指す一つのことが、箱根駅伝への出場です。
非現実的という批判
見ていると、誰もが思うだろう批判があります。
- 急にそんなにタイムが伸びるなんてありえない
- 陸上未経験者が1年も練習しないで箱根に出れるわけがない
私は箱根駅伝に出たことがないので、どれくらいの練習で出場できる大会かはわかりませんが、その批判は正しいと思います。箱根駅伝はそんなに甘くないはず。
しかし、非現実的だからといって見るのをやめるのはもったいないです。
走ることの追及は、生きることへの追及にもつながっています。
記録が塗り替えられるように人生も塗り替えられます。
あのときは良かったと昔を思い出して浸るだけでは塗り替えることはできません。
前進していくことの辛さや、その先にあるかもしれない楽しさを感じました。
最終回で超えてくる
私は、三浦しをんさんの原作が好きで見始めましたが、あくまで原作が好きだから見ていました。
しかし、最終回を見て、原作を超えようとしてきたと感じました。
原作とは違う、私が見続けてきてこうなってほしいと思ったラストでした。
走るとは何なのか、その答えが提示されます。
それは、生きるとは何なのかに通じるものでした。
風が強く吹いている。それはきっと、追い風ではなく向かい風です。