いっちの1000字読書感想文

平成生まれの30代。小説やビジネス書中心に感想を書いてます。

『ストーリーメーカー 創作のための物語論』大塚英志(著)の感想【物語を作る方法】

 読むな、使え

 本書の帯に大きく書かれています。

 読まないで使うってどういうことでしょう。

 30のQ&Aに徹底して答え、そして、思考することであなたの内なる「物語再生装置」を鍛え直し、再起動する、「読む」のではなく、書き込んで「使う」ための物語制作マニュアル。(p1)

 問いに答えることで物語ができるなんてすごい。 

ストーリーメーカー 創作のための物語論 (星海社新書)

ストーリーメーカー 創作のための物語論 (星海社新書)

 

30のQ&A

 本書の肝です。要約します。

  1. 今、頭の中にあるものをとりあえず書く
  2. それを一言で表す
  3. 主人公について思いつくまま書く
  4. 主人公が抱えている問題を「××が欠けている状態にある」と具体的に書く。欠けているものは何の象徴か書く。
  5. 主人公の今はA~Dのどれか。(A.運命を自覚していない普通の人 B.社会的地位や成功の状態 C.かつて成功したが今はうまくいってない D.成功していない)
  6. 「主人公は××の状態で△△を求めているが最後に□□になる」を埋める
  7. 主人公の現在に影響を与えた「過去」は何か
  8. 欠けているものを手に入れるための、主人公の課題やミッションは何か
  9. 主人公は課題やミッションを達成できるか
  10. その結果象徴的に手に入れるもの、ないし失うものは何か
  11. 主人公の目的達成を妨害する「敵対者」は誰か
  12. 主人公と敵対者の価値観や考え方はどう違うか
  13. 主人公の目的達成を助けるキャラは誰か
  14. そのキャラが主人公を助けるのは何故か
  15. 主人公を庇護したり、成功するポイントとなる力、アイテム、アイデアなどを与えてくれるキャラは誰か
  16. そのキャラから主人公が援助を受けるのは何故か
  17. 主人公の生きる「日常世界」はどういう場所・環境か
  18. その日常に危機が迫っていることを予感させる出来事は何か
  19. 日常は具体的にどう脅かされるか
  20. 主人公に行動を起こさせるきっかけとなる「使者」「依頼者」は誰か
  21. 主人公が行動を起こすことでためらったり、誰かに止められるくだりを必ず書く
  22. 主人公の行動に何かタブーを与えるか
  23. 主人公が到達する「日常」から最も離れた場所はどこか
  24. 主人公はそこで直面した問題をどう解決し、主人公はどう変わるか
  25. 目的を達成するために主人公が失ったものは何か
  26. 敵対者と対峙した時、主人公は敵対者を理解するか。理解できないとしたら何故か、どこが
  27. 主人公の生きる環境はどう変わるか
  28. 今までの回答をもとにグラフを作る
  29. 1の内容を以下を参考に整理する(①日常の世界②冒険への誘い③冒険への拒絶④賢者との出会い⑤第一関門突破⑥仲間、敵対者⑦最も危険な場所への接近⑧最大の試練⑨報酬⑩帰路⑪再生⑫帰還)
  30. もう一度一言で表してみる

 

後は書くのみ

 本書は、上記のQ&Aを具体的な物語に当てはめて説明しています。

 確実に思考が整理されていきます。

 後は手順に沿って書くのみです。 

ストーリーメーカー 創作のための物語論 (星海社新書)

ストーリーメーカー 創作のための物語論 (星海社新書)

 

調べた言葉

黎明期:新しい時代、文化などが始まろうとすることのたとえ

過渡期:新しいものに移っていく途中の時代