ワインディング・ノート
本書を読むのは2度目です。
それでも、半分以上理解できませんでした。
よって、再読するでしょう。
――半分以上理解できなかったのに、なぜ、再読すると言えるのか。
理解に苦しんだ作品を読んだとき、読者には、
- 再読しない選択
- 再読する選択
の2つがあります。
私は、理解できない作品を読んでいるとき、最後まで読まないどころか、その作家の作品を一切読まないこともあります。
読者には、読まない選択ができます。
しかし、乗代さんの「ワインディング・ノート」に関しては、再び読むだろうと、私は思います。
――なぜか。
理解したいからです。
乗代さんの小説を読むと、膨大な知識に圧倒されます。
「ワインディング・ノート」を読むと、乗代の知識に裏付けられた、読書量や執筆量、つまり努力が見えます。
天才ではないと、わかります。天才という一言で、片づけてはいけない。
同時に、自分も頑張ろうと思います。
――何を?
生きることです。漠然としていますが。
確かなのは、「ワインディング・ノート」を、私は自己啓発的に読んでいる、というわけです。
自分の何かにつながっていると感じられないと、本は読めません。
前回読んだときの感想も、「ワインディング・ノート」について書いています。
今回は、デカルトの言葉から乗代さんがまとめた「暫定的な道徳とした3つの格率」について。
- 住んでいる国・地域の法や慣習に従う。
- 選択肢があった場合、より成功しそうなことを選び、一度決定したことには従う。
- 世界の秩序よりも自分の欲望を変えるように努め、不可能なことは望まない。
乗代さんは、「暫定的な道徳とした3つの格率」と書いていますが、その言葉のままでは、私は難しくてわかりません。
そういうときに私は、「暫定的な道徳とした3つの格率」を「3つの道徳」と言葉を替えています。
乗代さんの言葉とは異なりますが、理解しがたい言葉は、そうした読み替えをして、本書を読んできました。
質の悪い読者かもしれません。
さらに、読み替えをした部分については、理解したと思っているのです。
例えば、上記引用の「暫定的な道徳とした3つの格率」について私が考えたのは、
- 成功しそうなことを選び、一度決定したことには従う:少しの苦なら今の仕事を続ける。仕事以外の時間は自由だ。
- 自分の欲望を変えるように努め、不可能なことは望まない:嫌なことをしないで生きることは難しいので、今の仕事を続ける。仕事以外の時間は自由だ。
自分につなげて理解しています。
一方、理解できなかった部分は、
- 文字通りの言葉の理解もできず、
- 言葉の読み替えもできず、
- 目の上を文字の羅列が通り過ぎていたところです。
理解できなかった部分をどうするかが問題です。
乗代さん自身が影響を受けたものに学ぶしかありません。
人間として現実を生きる上では、最も強く影響を受けたのがこの『IMONを創る』という本だと断言できます。
『IMONを創る』とは、いがらしみきおさんの本です。
以下は、いがらしさんの言葉です。
いかなる問題が起ころうとも、”しない”ことによって解決しようとしてはいけない。常に、”する”ことで解決するしかないのだ。やめるな! 一生やれ! なんでもやれ! ほっといてくれ!
外堀から埋めて、また本書に戻ってきます。