雑誌記事・絶版本・新刊本
国会図書館では膨大な資料を読めますが、開館時間は9時半から19時なので読める本は限られます。
館外への資料貸し出しはしていないので、読む方法は、
- 国会図書館内で読む
- 印刷して持ち帰って読む
のどちらかです。
よって、国会図書館では、館内でしか手に入れられない資料を読むのが、おすすめです。
例えば、ジャンルで言うと、
- 過去の雑誌記事
- 絶版本
- 新刊本
理由は以下のとおりです。
- 雑誌記事:公立図書館で読めるのは過去2年くらいなので、それ以前のものを手に入れるのは困難
- 絶版本:手に入れるのが困難
- 新刊本:公立図書館で予約件数が多い本でも、国会図書館では館外への貸し出しができないので、読みやすい
特に、私が読んで良かった資料は、以下の3つです。
- 『乖離する私--中村文則』田中弥生(著)(『群像』2006年6月号)
- 乗代雄介さんと保坂和志さんの対談(『群像』2019年1月号)
- 『街と、その不確かな壁』村上春樹(著)(『文學界』1980年9月号)
『乖離する私--中村文則』は、群像新人文学賞の評論優秀作です。2002年にデビューした中村文則さんを、2006年に取り上げています。
読んで良かった部分は、評論以上に、松浦寿輝さんの選評です。
若い作家に批評の援護射撃があるのはよいことだと思う。
批評が作家の援護射撃という考え方に、新たな気づきを得ることができました。
批評とは、作品の良い点や悪い点を取り上げて解説するイメージでした。
ちなみに、私のブログも作品の良い点や悪い点を取り上げていますが、解説とまでは言えないので、感想です。
また、批評という言葉自体に、なんとなく偉そうな印象を受けるので、抵抗がありました。
しかし、批評が作家の援護射撃と聞いて、私の感想にも作家の援護射撃の要素を入れた方が良いと感じました。
例えば、作品の悪い点を挙げる場合には、理由を示した上で、こうしたら良いという意見を提示した方が、有意義な感想になると思いました。
- 良い点(悪い点)を挙げる
- その理由(悪い点を挙げる場合は、代案の提示)
のステップです。
特に、悪い点を挙げるときは、作家に敬意を忘れることなく、それでもこうだったら良いという記載を心がけたいです。
「作品」の援護射撃や、「作家」の援護射撃になる感想を書くのは難しいですが、意識はしていこうと思います。
他の2つの資料
- 乗代雄介さんと保坂和志さんの対談(乗代さんの『本物の読書家』が野間文芸新人賞を受賞したときの対談)
- 『街と、その不確かな壁』(村上春樹さんの幻の三作目。全集にも収録していない)
については、別記事で感想を書きますので、しばしお待ちください。
国会図書館のメリットはこちらです。
国会図書館のデメリットはこちらです。