いっちの1000字読書感想文

平成生まれの30代。小説やビジネス書中心に感想を書いてます。

『ヤクルト・スワローズ詩集』村上春樹(著)の感想【ファンになった理由】

ファンになった理由 村上春樹さんはヤクルト・スワローズのファンです。 高校までは神戸に住んでいたので、阪神タイガースのファンだったそうですが、上京を期にスワローズファンになったそうです。 住んでいる場所から最短距離にある球場で、そのホームチー…

『ウィズ・ザ・ビートルズ』村上春樹(著)の感想【教科書に載ってほしい】

教科書に載ってほしい 教科書に載ったら、国語の問いが変わるかもしれません。 国語の問いには、回答の正誤を論理的に判定できないものがあります。 例えば、以下のようなものです。 この文章に託されている、戦争についての作者の姿勢はどのようなものか 月…

『むらさきのスカートの女』今村夏子(著)の感想【さらりと読めるが、ざらりと残る】(芥川賞受賞)

さらりと読めるが、ざらりと残る 今村夏子さんの作品は読みやすいです。 シンプルな言葉と気になる展開が、先へと読ませます。 ですが、読みやすい=あっさり、ではありません。 読み終わった後に起こる感情は、以下のようなものです。 結局何の話だったの?…

『新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング』唐木元(著)の感想【最後まで読んでもらえる文章を書くには】

良い文章とは完読される文章 良い文章ってなんでしょう? わかりやすい 役に立つ 心地が良い 元気が出る 人によって、さまざまです。 なので本書では、定義を定めています。 この本ではおしまいまで通して、「完読される文章が良い文章」ということに設定し…

『ラッコの家』古川真人(著)の感想【人とのつながりの大切さ】(芥川賞候補)

現実と思考の行き来 主人公のタツコは、アパートで一人暮らししている高齢の女性です。 夫に先立たれましたが、姪やその子どもがよく遊びに来ています。 彼女たちから、タツコはタッコという愛称で呼ばれています。 たわいもない会話が弾み、笑い声が絶えま…