仕事を辞める
タイトルが強烈です。
「もしあと1年で人生が終わるとしたら?」
タイトルに惹かれて読みました。
しかし、私は何も変わりませんでした。
なぜなら、私は「あと1年で人生が終わる」と思っていないからです。
仮に、「あと1年で人生が終わる」と考えたところで、「あと1年で人生が終わらない」のですから。
卑屈な考えかもしれませんが、事実です。
考えるほど、理想と現実とのギャップに、嫌になるだけでした。
仮に、「あと1年で人生が終わる」なら、
- 仕事を辞める
これは一番初めに思いつきました。
ですが、それ以外はわかりません。
- 旅行
- 国会図書館近くに住む
- お世話になった人に会う
こういう行動もあり得そうですが、死ぬならどうでもいいやと、自己嫌悪に陥って行動できない可能性もあります。
それに、確実に思われる「仕事を辞める」も、仕事を辞めて生じた時間を、何に使いたいかわかりません。
考える時間だけ増えて、鬱々としている気がします。
そもそも、あと1年で死ぬなら、健康ではなく、入退院を繰り返している状態かもしれません。
では、1年で死なないなら、上記の行動(仕事を辞める、旅行、国会図書館近くに住む、お世話になった人に会う)を、してみたらどうか。
そういう考えもあるでしょう。
ただし、これはあくまで、「あと1年で人生が終わるとしたら?」を、「あと1年で人生が終わると思っていない私」が考えたときの答えです。
前提条件が違っているのです。
それでも、本当に、本当に、「あと1年で人生が終わるとしたら?」
- 仕事を辞める
やっぱり一番初めに思いつきました。
よほど仕事が好きじゃないんでしょうね。
仕事をするのはお金のためですからね。あと1年なら、働かずに生きていけるお金くらいあります。
ですが、仮に100歳まで生きるとしたら、今仕事を辞めて生きていける自信はありません。
それなら、嫌な仕事を続けて死ぬ間際で後悔するの? 自分に問いかけたときの答えは「だって仕方ないじゃないか」
今のままではいけないと思いながらも、どうすることもできず、今をなんとか生きています。「あと1年で人生が終わるとしたら?」と、甘い嘘を吹き込まないでいただきたい。
人生の最後に、より後悔がない人生だった、よりより人生だったと思えるために必要な条件について、著者は言います。
・自分で自分を否定しないこと
・いくつになっても新しい一歩を踏み出すこと
・家族や大切な人に、心からの愛情を示すこと
・今日一日を大切に過ごすこと
確かにそうではあるのでしょうが、きれいごとなんですよ、すべて。
「一人称の幸せには限界がある」といった考えなど、良い部分もありましたが、最後に残ったのは、「健康な私がもしあと1年で人生が終わるとしたら? を考えても仕方ない」でした。
本当に読むべきなのは、実際に「あと1年で人生が終わる」人だと思います。
いや、「あと1年で人生が終わる」ときに、どストレートな内容の本書を読めるか、微妙ですね。