いっちの1000字読書感想文

平成生まれの30代。小説やビジネス書中心に感想を書いてます。

『もしあと1年で人生が終わるとしたら?』小澤竹俊(著)の感想【仕事を辞める】

仕事を辞める

タイトルが強烈です。

もしあと1年で人生が終わるとしたら?

タイトルに惹かれて読みました。

しかし、私は何も変わりませんでした。

なぜなら、私は「あと1年で人生が終わる」と思っていないからです。

仮に、「あと1年で人生が終わる」と考えたところで、「あと1年で人生が終わらない」のですから。

卑屈な考えかもしれませんが、事実です

考えるほど、理想と現実とのギャップに、嫌になるだけでした。

仮に、「あと1年で人生が終わる」なら、

  • 仕事を辞める

これは一番初めに思いつきました。

ですが、それ以外はわかりません。

  • 旅行
  • 国会図書館近くに住む
  • お世話になった人に会う

こういう行動もあり得そうですが、死ぬならどうでもいいやと、自己嫌悪に陥って行動できない可能性もあります。

それに、確実に思われる「仕事を辞める」も、仕事を辞めて生じた時間を、何に使いたいかわかりません。

考える時間だけ増えて、鬱々としている気がします。

そもそも、あと1年で死ぬなら、健康ではなく、入退院を繰り返している状態かもしれません。

では、1年で死なないなら、上記の行動(仕事を辞める、旅行、国会図書館近くに住む、お世話になった人に会う)を、してみたらどうか。

そういう考えもあるでしょう。

ただし、これはあくまで、「あと1年で人生が終わるとしたら?」を、「あと1年で人生が終わると思っていない私」が考えたときの答えです。

前提条件が違っているのです。

それでも、本当に、本当に、「あと1年で人生が終わるとしたら?」

  • 仕事を辞める

やっぱり一番初めに思いつきました。

よほど仕事が好きじゃないんでしょうね。

仕事をするのはお金のためですからね。あと1年なら、働かずに生きていけるお金くらいあります

ですが、仮に100歳まで生きるとしたら、今仕事を辞めて生きていける自信はありません

それなら、嫌な仕事を続けて死ぬ間際で後悔するの? 自分に問いかけたときの答えは「だって仕方ないじゃないか

今のままではいけないと思いながらも、どうすることもできず、今をなんとか生きています。「あと1年で人生が終わるとしたら?」と、甘い嘘を吹き込まないでいただきたい

人生の最後に、より後悔がない人生だった、よりより人生だったと思えるために必要な条件について、著者は言います。

・自分で自分を否定しないこと
・いくつになっても新しい一歩を踏み出すこと
・家族や大切な人に、心からの愛情を示すこと
・今日一日を大切に過ごすこと

確かにそうではあるのでしょうが、きれいごとなんですよ、すべて。

「一人称の幸せには限界がある」といった考えなど、良い部分もありましたが、最後に残ったのは、「健康な私がもしあと1年で人生が終わるとしたら? を考えても仕方ない」でした。

本当に読むべきなのは、実際に「あと1年で人生が終わる」人だと思います。

いや、「あと1年で人生が終わる」ときに、どストレートな内容の本書を読めるか、微妙ですね。