勤務以外の16時間を充実
私が本書を読んで感じた結論は、
「勤務時間以外の16時間を充実させる」です。
「勤務時間の8時間は生活費を稼ぐための義務の時間だからしょうがないとして、残りの16時間を充実させよう」である。この16時間はすべて、もっぱら自分の心と身体を成長させ、同胞を啓発することだけに使うのだ。
私の場合、
- 通勤:1時間
- 勤務:9時間
なので、充実させられるのは、14時間です。
- 睡眠:8時間
- 食事:1時間
- 入浴:1時間
とすると、残りは4時間です。
――この4時間をどう使うか。
芸術の勉強をしたり、気になったことを調べて自由研究をしよう、と提案している。
自由研究。いいように解釈すれば、ブログ執筆も良さそうです。
筆者は言います。
「好きなことを仕事にしなきゃ!」と焦った結果、会社を辞めて全然面白くないYouTuberになり、1円も稼げず消えていった人を僕はたくさん知っている。そんな悲しい顚末を辿らないためにも、「勤務時間以外の16時間を充実させよう」という発想はすごく良いと思う。
仕事を仕方ないものだと割り切れば、仕事以外に集中できるかもしれません。
仕事をどうにかしようとした結果、仕事を辞めて収入が減り、生活できなくなることが、一番問題です。
仕事さえしていれば、生活はできます。
- 好きなことを仕事にしたい(例:ブログで生計を立てる)
- 嫌な仕事から逃れたい(例:クレーム対応、慣れない仕事)
これらに希望を抱いてはいけないと思いました。
- ブログでは好きなことを書く(仕事は別にあるから)
- 嫌な仕事も引き受ける(収入はもらえるから)
現実を見るしかありません。
勤務時間の8時間は生活費を稼ぐための義務の時間だからしょうがないとして、残りの16時間を充実させよう
これに尽きる気がしました。
ちなみに、ビジネス書を100冊読むという企画について、
本書の企画は、僕の興味のタネからスタートした。「ビジネス書をたくさん読んでいる人は何を考えているんだろう? 虚しくないのかな?」という素朴な疑問である。
「虚しくないのかな?」が、あるとないのとでは大違いです。
著者は、ビジネス書をたくさん読んでいる人を、虚しいと考えています。
――なぜ、虚しいと考えているのでしょうか。
少なくとも、ビジネス書をたくさん読む人に対して、好意的には思っていないでしょう。
僕はこの企画をやりながら何度も「中庸は大事だな……」と思った。ビジネス書は目立つために極論ばかり書かれがちなので。
極論ばかりで、著者は「中庸は大事だな……」と思っていますから、ビジネス書の極論について、良く思っていないのでしょう。
ビジネス書の極論に懐疑的に見える著者ですが、「勤務時間以外の16時間を充実させる」に関しては、好意的のようでした。
ビジネス書の極論に批判的な著者の、好意的な発言だからこそ、私に響きました。
ベストセラーのビジネス書だからといって、何でもかんでも絶賛せず、本当に良い部分だけ称賛するスタンスが、良かったです。