創造は希望をつくる力
著者の経歴がすごいです。
東京大学法学部卒。イリノイ工科大学デザイン学科修士課程修了。P&Gにて、ファブリーズ、レノアなどのヒット商品のマーケティングを手がけたのち、ジレットのブランドマネージャーを務めた。その後、ソニーに入社。
ソニー退社後、独立しています。
こんなに経歴がすごいなら、「模倣」も「創造」もできるだろうと、思ってしまいます。
すごすぎる人の話を聞いても、私には実現できないと感じてしまいます。
次元が違うからです。
レベルが全く違う人の話を聞いても、すごいなあと感服して終わるからです。
努力すればいいと思われるかもしれませんが、そう簡単なことではありません。
では、なぜ私が本書を手に取ったのか。
タイトルと装丁がかっこいいからです。
誰が書いてるかは気にせず、手に取りました。
この本を通じて伝えたいことはたったひとつ。「創造」することは、希望をつくる力だということです。
創造することが、どのようにして希望につながってるのでしょうか。
佐宗さんが本書で伝えたい唯一のことなので、考えてみます。
よくわからないから、書いてみます。
佐宗さんは、創造の本質には、3つの段階があると言います。
- 模倣(感性のセンサーを働かせる)
- 想像(世の中にあるものを変えて自分らしさを入れ込んでいく)
- 創造(制作物に落とし込んでいく)
1の模倣について。
頭で考えすぎず自分が「好きだなあ」と思うものを身体で感じ、観察し、徹底的に模倣することから始まります。
「好きだなあ」と思うものって何だろう。
と、頭で考えてしまってます。
考えるのではなく、感じることです。
佐宗さんの、「感じている」と「考えている」の違いによると、
- 感じている:いいなあ、素敵だなあ、美しいなあ
- 考えている:これは使えそうだ、Bと比べてお得だな、友達に自慢できるぞ
「好きだなあ」と思うものを考えたとき、浮かぶのは小説やブログです。
好きかどうかを直感的に判断してるのは、たぶん文体です。
文体はさまざまですが、共通してるのは、読みやすいことです。
ブログも、読みやすい文章だと最後まで読めます。
短文で書かれてて、改行も多いブログをよく読みます。
小説以外の本も同様で、読みやすいものを選んでます。
読みにくい文章を、我慢して最後まで読もうと思わなくなりました。
私が「好きだなあ」と思うのは、読みやすさやわかりやすさだと思いました。
2の想像について。
佐宗さんは、感性のセンサーを働かせてると、違和感を覚えるものが出てくると言います。
違和感を持たないためにはどんなものだったら良かったのでしょうか? この、「自分が違和感を持たない○○ってどんなのだろう?」と考えてみる問いこそが、あなた独自のアイデアのタネになるのです。
違和感を覚えたものに対して、違和感を覚えないものにするにはどうするか。
その問いがネタになり、創造につながるのでしょう。
私は、違和感を持つのが苦手だと思いました。
違和感を覚えるものが見当たりません。
ひねり出したのが、「なぜ、電車の乗客のほとんどが、スマホをいじってるのか」。
異様な光景ですが、時間を潰すものとして、スマホが適してるからでしょう。
スマホより、楽しく気軽に時間を潰せるものがあるなら、人々はそちらを持つでしょう。
違和感を持ったら、メモするようにします。
最後に、創造がどう希望につながるかについて。
模倣から始めた人が、だんだん「自分の作風」が出てきて、自分発の表現を創造するなかで、社会と対話していくことに意識が向いていく
社会と対話することが希望なのでしょうか。
自分のテーマに出会った人は、自分がつくった作品を通じて、自分の社会における存在意義を感じられるようになります。自ら問いをつくり、問いを世の中に立て、その反応によって自分の作品の意味を実感したり、社会における自分の存在を許容することができるようになります。
- 社会における存在意義を感じられる
- 自分の作品の意味を実感する
- 社会における自分の存在を許容する
希望が上記だったとして。
創造した結果、箸にも棒にもかからない人は、どうしたらよいのでしょう。
自分のテーマに出会えなかった人はどうでしょうか。社会における存在意義を実感できなかった人はどうか。
希望どころか、絶望を味わうかもしれません。
創造が必要でない人もいるでしょう。
- 違和感を覚えない人
- 違和感を制作物に落とし込む力のない人
は、創造に希望を見出す必要はないと思いました。
「創造」することは、希望をつくる力だということ
- 創造することは、(自分の)希望をつくる力
- 創造することは、(誰かの)希望をつくる力
前者で考えてきましたが、後者かもしれません。