思考を整理するきっかけ
東大京大でよく読まれている本です。
私は、東大出身でも京大出身でもありませんが、学生時代に大学の生協で購入しました。
購入から10年以上経って、再読しました。難しかったです。
思考の整理って、結局どうすればいいのでしょう。
整理とは、その人のもっている関心、興味、価値観(中略)によって、ふるいにかける作業にほかならない。価値のものさしがはっきりしないで整理すれば、大切なものを捨て、どうでもいいものを残す愚をくりかえすであろう。
私の「価値のものさし」ってなんだろう、と思ったわけです。
私に、価値をはかる基準があっただろうか。
試しに、関心、興味、価値観について考えてみます。
- 関心:本、小説、アニメ、漫画、お金、仕事、健康
- 興味:関心と同じ
- 価値観:ゆとりのある生活、やりたくないことは極力やらない
私の価値のものさしは、
「やりたいか」「やりたくないか」だと思いました。
仕事や家事など、やらなければ生活できないことは別として、やりたくないことは極力やらないようにしています(仕事や家事も最小化を心がけていますが)。
「やりたいか」「やりたくないか」の基準を考えてみると、
- 興味関心に直結する:「やりたいこと」
- 興味関心に直結しない:「やりたくないこと」
思考を整理できたかわかりませんが、判断が必要になったときの基準にはなりそうです。
例えば、「転職活動」について。
最近、元同僚の転職を聞き、驚きました。
元同僚に話を聞くと、「転職先では今より高い収入をもらえる」と言うのです。
理由はそれだけではないかもしれませんが、仮に「今よりも高収入」が転職理由だったとします。
私の興味関心には、お金があります。仕事もあります。
しかし、元同僚の転職の知らせを聞いて、私は転職しようと思いませんでした。
お金や仕事が、興味関心に直結するのにです。
どうしてかを考えると、転職が、私の価値観「ゆとりのある生活、やりたくないことは極力やらない」に引っかかったような気がします。
転職や転職活動をすることで、ゆとりのある生活に支障をきたす可能性があります。
それに、仕事自体やりたくないことです。
転職してもやりたくないことはなくならないだろうと、判断した可能性があります。
興味関心に直結しても、価値観に合っていなかったので、行動にはつながりませんでした。
「お金」「仕事」に興味関心があるのに、高収入の転職には興味関心を示さなかった。
これは、無意識に思考を整理していたことになるのでしょうか。
本書をきっかけに、私の「価値のものさし」をはっきりさせる試みをしてみました。
「価値のものさし」は変わる可能性があります。
例えば、後になって、高収入の転職ならすればよかったと思い直すかもしれません。
しかし、当時の「価値のものさし」で判断したと思えば、過去の判断に正当性が生まれるかもしれません。
過去の自分を責めずに済むかもしれません。
「価値のものさし」を整理する意義を見出せたような気がします。
本書の内容からは逸れましたが、本書を通じて思考の整理ができたと思います。