いっちの1000字読書感想文

平成生まれの30代。小説やビジネス書中心に感想を書いてます。

『思考の整理学』外山滋比古(著)の感想【思考を整理するきっかけ】

思考を整理するきっかけ

東大京大でよく読まれている本です。

私は、東大出身でも京大出身でもありませんが、学生時代に大学の生協で購入しました。

購入から10年以上経って、再読しました。難しかったです。

思考の整理って、結局どうすればいいのでしょう。

整理とは、その人のもっている関心、興味、価値観(中略)によって、ふるいにかける作業にほかならない価値のものさしがはっきりしないで整理すれば、大切なものを捨て、どうでもいいものを残す愚をくりかえすであろう

私の「価値のものさしってなんだろう、と思ったわけです。

私に、価値をはかる基準があっただろうか。

試しに、関心、興味、価値観について考えてみます。

  • 関心:本、小説、アニメ、漫画、お金、仕事、健康
  • 興味:関心と同じ
  • 価値観:ゆとりのある生活、やりたくないことは極力やらない

私の価値のものさしは、

「やりたいか」「やりたくないか」だと思いました。

仕事や家事など、やらなければ生活できないことは別として、やりたくないことは極力やらないようにしています(仕事や家事も最小化を心がけていますが)。

「やりたいか」「やりたくないか」の基準を考えてみると、

  • 興味関心に直結する:「やりたいこと」
  • 興味関心に直結しない:「やりたくないこと」

思考を整理できたかわかりませんが、判断が必要になったときの基準にはなりそうです。

例えば、「転職活動」について。

最近、元同僚の転職を聞き、驚きました。

元同僚に話を聞くと、「転職先では今より高い収入をもらえる」と言うのです。

理由はそれだけではないかもしれませんが、仮に「今よりも高収入」が転職理由だったとします。

私の興味関心には、お金があります。仕事もあります。

しかし、元同僚の転職の知らせを聞いて、私は転職しようと思いませんでした。

お金や仕事が、興味関心に直結するのにです。

どうしてかを考えると、転職が、私の価値観「ゆとりのある生活、やりたくないことは極力やらない」に引っかかったような気がします。

転職や転職活動をすることで、ゆとりのある生活に支障をきたす可能性があります。

それに、仕事自体やりたくないことです。

転職してもやりたくないことはなくならないだろうと、判断した可能性があります。

興味関心に直結しても、価値観に合っていなかったので、行動にはつながりませんでした。

「お金」「仕事」に興味関心があるのに、高収入の転職には興味関心を示さなかった。

これは、無意識に思考を整理していたことになるのでしょうか。

本書をきっかけに、私の「価値のものさし」をはっきりさせる試みをしてみました。

「価値のものさし」は変わる可能性があります。

例えば、後になって、高収入の転職ならすればよかったと思い直すかもしれません。

しかし、当時の「価値のものさし」で判断したと思えば、過去の判断に正当性が生まれるかもしれません。

過去の自分を責めずに済むかもしれません。

「価値のものさし」を整理する意義を見出せたような気がします。

本書の内容からは逸れましたが、本書を通じて思考の整理ができたと思います。