書き上げた作品を見せたら「登場人物がからっぽ」
私は数年間、物語を書いています。
ある時、私の作品を読んでくれた人から、「登場人物がからっぽ」と言われました。
悔しかったので、物語の基礎から学ぶため、円山夢久さんの『「物語」のつくり方入門 7つのレッスン』、『「物語」の組み立て方入門 5つのテンプレート』を手に取りました。
さくっとエッセンスを学べるのが気に入ったので、本書にも手を伸ばしました。
9つのレシピとは
- 「書きたいのに書けない」のはなぜ?
- 「どう書いていいかわからない」ときの処方箋
- バリエーションを増やす
- 文体を変えてバリエーションを増やす
- キャラクターを変えてバリエーションを増やす
- ジャンルを変えてバリエーションを増やす①
- ジャンルを変えてバリエーションを増やす②
- 視点を変えてバリエーションを増やす
- 伏線の張り方・使い方
バリエーションを増やす際の物語として、「桃太郎」が使われます。
桃太郎をアレンジすることで、同じ素材でも、できあがりが変わります。
どうして書けないのか
書きたいと思っているのに書けないのはなぜでしょう。
A 何を書いていいかわからない
B どう書いていいかわからない(p.12)
Aへの対処は、
- 手持ちの素材で書けそうなものは何かを書き出し、
- その物語に絶対必要な条件は何かを考え、その条件に当てはまるものをリストアップします
Bへの対処は、
- こんな感じの話を書いてみたいというイメージ、人物、セリフ、場面、ストーリーの断片を書き出し、
- いつ、どこで、誰が(主人公の年齢・職業・性別)、何をするか、なぜそのような行動をするか、どのように行動するかを考えます
文体でバリエーションを増やす
- 文末(です・ます体、だ・である体、語り口調)
- 言葉の選び方 (抽象的か具体的か、名詞・熟語か動作か)
「洗濯」と書くか、「着物を洗いに」と書くかで読み手の印象が変わります。
キャラクターでバリエーションを増やす
キャラクターの正確にはA~Dがあります。
A 人にも物事にも積極的に関わる
B 人には進んで関わるが、物事には関わらない
C 人には関わらないが、物事には進んで関わる
D 人にも物事にも積極的に関わらない (p.93)
物語を動かすには、人にも物事にも関わらざるを得なくなるので、主人公をDで書く場合は注意が必要です。
マズローの欲求5段階説を物語に活用する
マズローの説は、以下のとおり。
- 生理的欲求:生命を維持したい
- 安全欲求:生命を安定的に維持したい
- 所属と愛の欲求:関わりたい、所属したい
- 承認欲求:価値ある存在として認められたい
- 自己実現:能力を発揮したい
承認欲求を活用すると、「達成できなければ周りからだめだと思われてしまう」、自己実現を活用すると、「達成できなければ今まで積み上げてきた能力が発揮できなく終わってしまう」とのように、主人公の欲求と対になるものを考えて構成しましょう。
書き出すことの重要性
シリーズ3冊読んで、考えを書き出すことの大切さに気づきました。
頭の中だけで考えていても、わかった気になって、結局インプットされたものは忘れてしまいます。
アウトプットを同時に行うことで、自分の物語の動きが変わったことを実感しました。
調べた言葉
禿(かむろ):遊郭で使われる少女。のちに遊女となる。
羅宇屋(らうや):煙管専門の修理、掃除、販売をする店