野間文芸新人賞候補作発表
2021年9月29日、野間文芸新人賞の候補5作品が発表されました。
受賞作の発表は、2021年11月4日(木)です。
以下、候補作をまとめます。
『ここはとても速い川』井戸川射子
初の候補です。
『コンジュジ』木崎みつ子
初の候補です。同作ですばる文学賞を受賞しています。
同作は芥川賞の候補にもなりました。
感想はこちらです。
『鳥がぼくらは祈り、』島口大樹
初の候補です。同作で群像新人賞を受賞しています。
『ピンク』杉本裕孝
初の候補です。
『教育』遠野遥
初の候補です。『破局』で芥川賞を受賞しています。
『骨を撫でる』三国美千子
初の候補です。『いかれころ』で三島賞を受賞しています。
受賞予想
全員初の候補です。
受賞予想する場合、このページでいたします。ただ、去年は予想できませんでしたので、今年もできるかどうか微妙です。
全作品はまだ読めていませんが、今のところ読んで良かったと言える作品は、木崎みつ子さんの『コンジュジ』です。
遠野遥さんは、芥川賞受賞後に野間文芸新人賞に選ばれており、珍しいです。デビュー作の『改良』は面白かったのですが、芥川賞受賞作の『破局』は好みではありませんでした。性描写が多い作品は好きではありません。
三国美千子さんは、『いかれころ』で三島賞を受賞していますが、村社会で育つ4歳児の達観的な視点に違和感を抱き、それ以来、三国さんの作品を読んでいませんでした。『骨を撫でる』というタイトルからして、濃密な家族の話が繰り広げられそうで、読む前から抵抗感があります。
島口大樹さんの『鳥がぼくらは祈り、』は一度読んだのですが、どうしてか感想を書けませんでした。再読しようと思います。
井戸川射子さんは、詩人の方なんですね。存じ上げませんでした。群像でも小説を書いているようで、詩人で小説を書いて芥川賞候補になった、くどうれいんさんを思い出しました。
杉本裕孝さんは、ウィキペディアを見ると、文學界で書き続けている作家さんのようです。キャリアは今回の候補者で一番あるでしょう。本は出版されていないようですが、文芸誌に書き続けられる実力のある作家さんのようです。期待しています。