ホリエモンの自叙伝
一気に読みました。
これは僕が長野刑務所で服役していた時に書き始めたものだ。
生まれて最初の記憶から現在までを時系列で辿っていく、いわゆる自叙伝ということになる。
この書き出しに引き込まれました。
捕まる前の堀江さんと言えば、
- 球団買収
- テレビ局買収
- 選挙へ出馬
などで、ニュースに出続けていた印象があります。
本書は、若くして世間の注目を集めた堀江さんが、どう考え、どう生きてきたのかが書かれています。
大切だと思っているのは二つだけ。力を抜いて流れに身を任せること。そして目の前のことにひたすら熱中すること。そうしていれば人は、いつの間にか、自分が在るべき場所に辿り着くことになる。
確かに、
- 先生に勧められ小学校で塾に入り、中学受験
- 東大の学生寮で麻雀三昧
など、流れに身を任せている部分はありますが、
- サラリーマンになる選択肢は最初からない
- 構造改革を推し進めるために選挙に出馬する
- 罪を認めて執行猶予を狙うという周りのアドバイスに従わない
と、流れに身を任せず、突き進む部分もあります。
ただ、「目の前のことにひたすら熱中すること」は、必ず当てはまっていました。
それこそが、堀江さんの「闘争」のやり方なのでしょう。
僕のこれまでの人生の「闘い」は、(中略)根拠のない思い込み、慣習、常識、ルールへの抵抗だった。
たとえば八女時代の僕を苦しめたもの。親の言うことは聞かなければならない。クラスメイトと仲良くすべき。武道で精神を鍛えろ。九大に行かなくてはならない。「当たり前」の力は子どもの僕にはどうしようもなくて、時に泣いたり暴れたりした。勉強という武器を手に入れられなかったら、今頃いったいどうなっていたか分からない。
今いる環境から逃げるには、何かしらの武器がないと闘えないということでしょう。
例えば、
- 勉強
- スポーツ
- 芸術(美術、音楽、エンタメ)
堀江さんには、勉強がありました。
学校のカリキュラムはよくできています。
- 勉強(国数理社英)
- スポーツ(体育)
- 芸術(美術、音楽)
- パソコン(情報)
- エンタメ(学園祭、休み時間)
高校卒業までに、自分の得意分野(苦手でない分野)がわかれば、闘える武器になります。
東京に出てきても、会社を立ち上げてからも、僕の闘いは続いた。いい会社に就職した方がいい。会社を作るには若すぎる。上場なんて無理なことはするな。年寄りは年寄りというだけで敬え。業界のしきたりに従え。お金持ちほどつつましく生活しろ。
武器を手に入れて闘った結果、堀江さんは刑務所に入りました。
罪を認めていたら、執行猶予がついて刑務所に入らずに済んだかもしれません。しかし堀江さんは闘いました。
僕にはどうしてもできなかった。そんな気持ち悪いことはできない。そんな生き方なんて嫌だ。
株主たちへの説明もつかない。それでは、もはや僕が僕ではなくなってしまう。
僕は罪なんて犯したつもりはないし、検察に屈するつもりもなかった。
結果は有罪。
本当に有罪なのか、私には判断できません。
ただ、堀江さんが罪を犯したつもりではないことはわかりました。
「執行猶予を狙うために罪を認めた」と言ったら、言い訳にしか聞こえません。
罪を犯したつもりでないでないからこそ、罪を認めなかったのです。
感想②はこちらです。