ライブドア事件と野口英昭氏の自殺
感想①はこちらです。
野口英昭さんは、堀江さんの会社の部下でしたが、後に辞めています。
野口さんの自殺の報道が流れたのは、堀江さんに強制捜査が入った直後の出来事です。
野口氏の死に僕が関与していたと思い込んでいる人がいるようだ。(中略)僕にはなぜ彼が自殺したのか皆目、見当が付かなかった。
一方で、
僕のもとにはエイチ・エス証券で相変わらずキワドい商売をしているという噂が届いていた。
私が気になったのは、「相変わらず」という部分です。
エイチ・エス証券に移る前でも、野口さんがキワドい商売をしていたのを、堀江さんは知っていたのでしょう。
野口さんの入社は、顧問税理士の勧めだったようですが、堀江さんは懐疑的でした。
顧問税理士は野口さんに、
会社に来てもらう条件として、僕には内緒で、上場後に投資子会社を設立することを約束していたようだ。
これもキワドい商売の一つなのかもしれません。
野口さんは、なぜ自殺したのでしょうか。
本書には書かれていませんが、沖縄のカプセルホテルで亡くなったようです。
東京の会社の副社長ともあろう人が、カプセルホテルで自殺するでしょうか。わざわざ沖縄まで行って。
と、本で取り上げられるほど、闇が深い事件です。
自殺者まで出してしまったことにされたライブドア事件はこれ以上ないほど世間の注目の的となる。
気になるのが、堀江さん自身も、野口さんを自殺と断定していることです。
「キワどい商売をしている」のだとしたら、人に恨みを買われ、自殺でない可能性もあるはずです。
上記の記事内の引用で、
傷口が5カ所、喉の左右の頚動脈と、左右の手首、そして腹部だそうである。どの傷口が致命傷になったかは判然としない。それが自殺だなんて法医学的にはありえない。
とあります。堀江さんもこの情報を知っていたはずです。
それでも自殺としか言えなかった、何かしらの要因があるのかもしれません。
自殺にしても自殺でないにしても、野口さん(または他者)にとって「死ななければいけない理由がある状況」だったのでしょう。
そうした状況になってはいけないし、いてはいけないと、思わされました。