いっちの1000字読書感想文

平成生まれの30代。小説やビジネス書中心に感想を書いてます。

『完全教祖マニュアル』架神恭介、辰巳一世(著)の感想【教祖になる方法】

教祖になる方法

教祖って聞くと、身を引いてしまいます。

怪しげな勧誘をされるのではないか。

心配ありません。本書での教祖は、

多くの人をハッピーにしながら、大きな尊敬を受ける

人のことです。

  • 本書を読めばあなたも教祖になれる!
  • ここまで読んだあなたは教祖として大成功を収めましたよね?

という体裁が強い点(結構うっとうしい)を除けば、面白く読めました。

では、どのようにして多くの人をハッピーにするのでしょうか。

社会に反する新しい価値基準を提唱し、「負け組」の人を「勝ち組」へと変えてハッピーにする

教祖になるべきステップは、

  1. 社会の基準で幸せになれない人を見つける
  2. 反社会的な基準を与えてその人を幸せにする

例として、ニートを幸せにする価値基準が挙げられています。

社会的弱者というのは現行の社会システム、社会的価値においての弱者ということでした(中略)。社会が絶対でない以上、彼らが絶対的に弱者というわけでもないのです。(中略)見る角度を変えれば弱者はそのまま強者になりうるのです。

20代、30代でセミリタイア(早期退職)した人は、定年まで働いて退職金をもらう社会システムでは、離脱したので弱者です。

しかし、労働から離れ、会社に束縛されず自由な時間を得た点では、強者です。

貯金1000万程度でセミリタイアを発信している人は、教祖かもしれません。

セミリタイアを発信している人を見ると、うらやましく感じていました。私が労働しているからでしょう。

一方、私が労働による給料で、豊かな暮らしをしている点では、セミリタイアした人よりも充実しています。

極端なことを発信している人は、デメリット部分をうまく隠しているのかもしれません。

弱者を強者にするため、見る角度を変えるのは、解釈の仕方です。

どう解釈したらハッピーに生きていけるのか、十人十色ですから、それは人によって違います。(中略)教祖のお仕事は、そんな選択肢の一つを与えること、つまりあなたなりの世界解釈を説くことなのです。

私なりの世界解釈、ですか。

労働についてであれば、「定時退社」かつ「有休完全消化」で「残りは自由なことをする」ですかね。反社会的ではありませんが。

馬鹿正直に「私がやっているのは宗教です」などと言う必要はありません。「私は科学的な話をしているのです」としれっと言い放ってやればいいのです。(中略)普通の人は新興宗教の言ってることは頭から疑ってかかりますが、科学だと言い張りさえすれば、無条件で信じるところからスタートしてくれるのです。

定時退社し、有休完全消化(20日)すれば、1年の4割は休みです。

1年の6割だけ働いて、豊かな暮らしができるなら、働いてもいいと思いませんか?

ある程度のストレスは、休日のありがたみを際立たせ、休みを充実させると、科学的に証明されています。

という感じで。

「科学的に証明されています」と言われると、信じてしまいそうです。

一つの論文だけを引用して「ここに書いてますから」と言われたら、対立する論文があるかもしれないのに、「そうか」と納得せざるを得ません。

そうだとしても、ハッピーになれるのであれば、良い気がしました。