いっちの1000字読書感想文

平成生まれの30代。小説やビジネス書中心に感想を書いてます。

アニメ「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」の感想【担任教師の存在】

担任教師の存在

「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」を略したのが「俺ガイル」。

略し方は、好きではありません。

視聴する気力をなくしそうで、もったいないです。

オタク臭が強く、新規参入を寄せ付けない略称です。

では、どんな略称なら良いかというと、略さなくていいかなと。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。

これで良いです。

タイトルで視聴意欲が削がれるのはもったいないです。

私がタイトルにこだわるのは、アニメが面白かったからです。

「とらドラ!」が面白く、他に同じような作品がないか探して出てきたのが本作でした。

正直、タイトルで視聴するのをためらいました。

「俺ガイル」という略称を聞いたことはありましたが、視聴意欲がわきませんでした。

3話まで見ようと思って重い腰を上げましたが、3話で見るのをやめようかとも思いました。

見続けたのは、面白かったのもありましたが、見る時間があったからです。

時間があったので、4話以降も見て、面白さを少しずつ感じ始めました。

最後まで見ようと確信したのは、7話です。

主人公は男子高校生で、友達と言える人がいません

担任の女性教師が見かねて、奉仕部へ入部させます

奉仕部は、生徒の依頼を受けて活動する部活動です

主人公の他に部員は、同学年(高校2年生)の女子2名。所属部員3名の部活です。

その奉仕部が、小学生の林間学校に協力する話が、7話です。

林間学校でのボランティアは、奉仕部以外にも高校生がいます。

他の高校生たちと仲良くするのは無理だと言う主人公に、担任は言います。

仲良くする必要はないうまくやれと言っているんだ敵対でも無視でもなく、さらっと無難にやり過ごす術を身につけたまえそれが社会に適用するということさ

敵対でも無視でもなく、無難にやり過ごす術を身につけることが、社会に適応すること。

確かにそうだなと感心しました。うまくやるとは、仲良くするわけでもないし、喧嘩するわけでもない。

うまくやるとは、やり過ごすという言葉に近い気がしました。

その感覚をアニメで味わえて、この作品は普通とは違うかもしれないと思いました。

面白いだけでなく、自分に何か影響を与えそうな作品だと感じました。

要因は、教員が絡んでることです。

登場人物が生徒だけでは得られない視点を、教員を出すことで、新たな視点が入ります。

主人公は、自分が傷ついたとしても、依頼を実行します。

自分が悪者役になっても、依頼のためならやります。

そのやり方は、生徒たちに嫌われます。嫌なやり方だからです。

しかし、教師は違います。教師は言います。

誰かを助けることは、君自身が傷ついていい理由にはならないよ

(中略)君が傷つくのを見て、痛ましく思う人間もいることにそろそろ気付くべきだ

教師の発言があるから、主人公は救われます。

ただの嫌な奴には見えません。

もし私が若い頃にこの作品を見たら、「自分の学生時代にもこんな教師がいたら良かったのに」と思ってたでしょう。

「こんな先生がいたら、自分の人生も変わってただろうに」と。

ですが、30代の私が見たとき、「こんな教師みたいな人間になりたい」と思いました。

甘やかすでもなく叱るでもなく、先を照らせるような存在になりたいと思いました。