いっちの1000字読書感想文

平成生まれの30代。小説やビジネス書中心に感想を書いてます。

『おとなの進路教室。』山田ズーニー(著)の感想【進学、就活、転職で悩んでいる人に】

どうやって生きていくか

 進学、就職、転職、そんな分岐点に現れる「進路」という言葉。

 私は社会人ですが、いまだ進路に悩んでいます。

 辞める理由がないので仕事を続けていますが、このままでいいのかと考えない日はありません。

 「おとなの」と題打たれていますが、ターゲットは大人に限りません。進路が決まらない人、決めた進路で悩んでいる人におすすめです。 

おとなの進路教室。 (河出文庫)

おとなの進路教室。 (河出文庫)

 

自分の考えを引っ張り出してくれる

特効薬ではありません。でも、自分の考えを引き出すのによく効きます。(p.1)

 進路を選ぶ際に、「絶対」はありません。

 本書はマニュアルではなく、自分の考えを引っ張り出してくれます。

 著者は、寄り添ってくれるカウンセラーのように、読者にやさしく語りかけます。

 読んでいると、自分はこうかもしれないという考えが、浮かんできます

 

進路を決めるときの3つの要素

  • やりたいこと(WANT):未来
  • できること(CAN):過去
  • やるべきこと(MUST):現在

 3つの中で一番大切なのは、「やりたいこと」ですよね。

CANは、ほっておいても太る。MUSTは、進み続けていれば、人生の岐路で必然的に来る。WANTは未来。未来に対する経験もスキルもまだ、ない。WANTにアプローチしつづける日々とは、失敗の多い日々だと、私は思う。(p.25)

 やりたいことをしてもうまくいかないのは当然ということが、腑に落ちました。だって未来のことなんですから。

 

やりたいことがないならどうしたらよいか

 やりたいことは、人とのつながりの中に見つけていくしかないと著者は言います。

「やりたいこと」の問いにつまずいてしまったとき、その問いにうずくまっていてはいけない。そこで探すのは「自分」ではない。どうしたら働いて生きていけるか? 社会に出る「道」を探ってほしい。いまやりたいことがなくても、働き、自分で生計を立て、社会に十分役立って生きていける。どうやって社会に出て、どうやってそこで信頼されて生きていけるかを探ってほしい。(p.70)

  家にこもって悶々としてても、答えは出ませんもんね。

 

「職業名」×「テーマ」×「実現したい世界観」

 私は就職活動を、

  1. 職業を決め、
  2. 会社を調べ、
  3. その会社で自分ができることを考え、
  4. エントリーシートを執筆、の順で行っていました。

 テーマや実現したい世界観を深く考えずに就職しました。

 すると、働いていくうちに壁にぶつかります。

 自分のやりたいことってこれだったっけ、と。

 職業だけにとらわれず、就職における自分なりのテーマや、働く上で実現したい世界観を深めていれば、軸がぶれにくくなるのだと感じました。 

おとなの進路教室。 (河出文庫)

おとなの進路教室。 (河出文庫)

 

調べた言葉

臆面もなく:遠慮することもなく

扇情:欲望をあおること

堰を切る:抑えられていたものがどっとあふれ出る

稚拙:未熟でつたないこと