どうやって生きていくか
進学、就職、転職、そんな分岐点に現れる「進路」という言葉。
私は社会人ですが、いまだ進路に悩んでいます。
辞める理由がないので仕事を続けていますが、このままでいいのかと考えない日はありません。
「おとなの」と題打たれていますが、ターゲットは大人に限りません。進路が決まらない人、決めた進路で悩んでいる人におすすめです。
自分の考えを引っ張り出してくれる
特効薬ではありません。でも、自分の考えを引き出すのによく効きます。(p.1)
進路を選ぶ際に、「絶対」はありません。
本書はマニュアルではなく、自分の考えを引っ張り出してくれます。
著者は、寄り添ってくれるカウンセラーのように、読者にやさしく語りかけます。
読んでいると、自分はこうかもしれないという考えが、浮かんできます。
進路を決めるときの3つの要素
- やりたいこと(WANT):未来
- できること(CAN):過去
- やるべきこと(MUST):現在
3つの中で一番大切なのは、「やりたいこと」ですよね。
CANは、ほっておいても太る。MUSTは、進み続けていれば、人生の岐路で必然的に来る。WANTは未来。未来に対する経験もスキルもまだ、ない。WANTにアプローチしつづける日々とは、失敗の多い日々だと、私は思う。(p.25)
やりたいことをしてもうまくいかないのは当然ということが、腑に落ちました。だって未来のことなんですから。
やりたいことがないならどうしたらよいか
やりたいことは、人とのつながりの中に見つけていくしかないと著者は言います。
「やりたいこと」の問いにつまずいてしまったとき、その問いにうずくまっていてはいけない。そこで探すのは「自分」ではない。どうしたら働いて生きていけるか? 社会に出る「道」を探ってほしい。いまやりたいことがなくても、働き、自分で生計を立て、社会に十分役立って生きていける。どうやって社会に出て、どうやってそこで信頼されて生きていけるかを探ってほしい。(p.70)
家にこもって悶々としてても、答えは出ませんもんね。
「職業名」×「テーマ」×「実現したい世界観」
私は就職活動を、
- 職業を決め、
- 会社を調べ、
- その会社で自分ができることを考え、
- エントリーシートを執筆、の順で行っていました。
テーマや実現したい世界観を深く考えずに就職しました。
すると、働いていくうちに壁にぶつかります。
自分のやりたいことってこれだったっけ、と。
職業だけにとらわれず、就職における自分なりのテーマや、働く上で実現したい世界観を深めていれば、軸がぶれにくくなるのだと感じました。
調べた言葉
臆面もなく:遠慮することもなく
扇情:欲望をあおること
堰を切る:抑えられていたものがどっとあふれ出る
稚拙:未熟でつたないこと