いっちの1000字読書感想文

平成生まれの社会人。小説やビジネス書中心に感想を書いてます。

『この世でいちばん大事な「カネ」の話』西原理恵子(著)の感想【学校では教えてくれない金のこと】

きれいごとは一切ない

世の中の多くの人は、カネのハナシをしない。

特に大人は子どもに「お金の話をするのははしたない、下品なことだ」と言って聞かせたりする

お金の話って学校で教わらないですよね。

むしろ、

  • お金がすべてじゃない
  • 幸せはお金では買えない

という教えですよね。

なぜ教えないのか。

教えないことで働かせる側が喜ぶからと著者は言います。

「働き者で欲がなく、文句を言わない」というのがまるで日本人の美徳のひとつみたいに言われてきたけど、それって働かせる側にしたら、使い勝手がいい最高の「働き手」じゃないかな。

少ない給料でも、「お金がすべてじゃない」と甘んじれば、働かせる側の都合のいいように使われてしまいます

本書は、西原さんの貧乏時代の経験がもとです。

だからこそ切羽詰まった感じが伝わるし、説得力があります。

勝間和代さんの解説です。

私のような評論家が話す机上の空論ではない、本当の「お金の価値と意味」を一人でも多くの人が、この本を読むことで気づいて欲しいのです。 

学校では教えてくれないお金のことが、読みやすく書いてあります。

学生や親、進路に悩む人におすすめです。

この世でいちばん大事な「カネ」の話 (角川文庫)

この世でいちばん大事な「カネ」の話 (角川文庫)

 

お金がないとどうなるか

お金がなくて、ののしりあう両親。借金のために死んでしまった父親学校をやめさせられて何もかもなくして、いられなくなった田舎

お金がないと、余裕がなくなります

ですが、お金があれば改善できます。

ののしりあう原因がなくなり、借金のために自殺しなくて済んだでしょう。好きなものを食べられるし、住む場所の自由も得られます。

金があれば必ず幸せとは言い切れないけど、お金は幸せになる手段です。 

才能ない人がお金を稼ぐには

西原さんは、絵で食うことを決意しますが、技術がありませんでした。

美術の予備校での成績は最下位です。

何かをやりはじめたとき、誰もが最初にぶち当たる壁は、自分の実力を知らなきゃいけないってことだと思う。

(中略)

客観性を持つ」のは、人がまず自分なりのスタート地点に立つために、とても大切なことだった。 

他人と比べて、何ができて何ができていないのか。違いを見分けることが大切だと言います。

西原さんは、最下位でも自分の絵がだめだとは思いません

肝心なのは、トップと自分の順位を比べて卑屈になることじゃない最下位なわたしの絵でも、使ってくれるところを探さなくっちゃ

50社以上の出版社に自分を売り込みます。

来る仕事を断らず、その仕事に少しだけ自分らしさを入れる(差別化する)と、最下位の人間が稼ぎ始めます。

この世でいちばん大事な「カネ」の話 (角川文庫)

この世でいちばん大事な「カネ」の話 (角川文庫)

 

調べた言葉

  • 左官:壁を塗る職業の人
  • 手癖が悪い:盗癖がある
  • 不承不承:しぶしぶ