凡人が小説家として生き残る方法
似たようなタイトルで、『小説家になって億を稼ごう』という本があります。
感想はこちらです。
タイトルからして真逆です。
本書でも言及されてます。
ただ、『小説家になって億を稼ごう』を批判する内容ではありません。
「近年まれに見る名著」として紹介されてます。
本書は凡人向けに、どうやって作家として生き残るが書かれてます。
面白くない結論ですが、再度強調しておきます。作家として生き残るためにはやはり新人賞に投稿し、一定の結果を出すのがベストなのです。
新人賞で結果を出すしかないわけです。
では、どうやって新人賞で結果を出すのか。
落選続きのなかで行き着いたのは、「自分がいちばん書きたいものを書かないと面白くならない。面白くないものが選ばれるわけがない」 というあたりまえすぎる結論でした。
- 自分が一番書きたいものを書く
- 自分の書きたいものを面白くする
この2ステップしかなさそうです。
「書きたいものを面白くする」のが難しいですが、少なくとも自分が面白いと思えなければ、ダメでしょう。
吉田さんは落選続きだったようです。
著者のプロフィールに、
19歳で小説家を志し、32歳で処女作『新世界大戦EPISODEⅢ』を上梓。
小説家を志してからデビューするまで、13年かかってます。
以後、架空戦記を中心に執筆活動を続けており、著作は本作で107冊となる。
107冊も出してる作家さんだったなんて。
私は吉田さんのことを、本書で初めて知りました。
億は稼げなくても、107冊を出版することはできてます。
作家一本で、生活はできてるでしょう。
吉田さんが作家の適正があると感じた部分があります。
執筆が嫌になったことはありません。苦悶はしましたが、愉悦のほうが遙かに勝りました。
- 苦悶しても、執筆が嫌になったことはない
- 苦悶より、愉悦が遥かに勝る
億を稼げてなくても、作家が天職だと感じます。
デビュー後、他の出版社から依頼があったときの回答方法が参考になります。
前提として、デビューした出版社で企画が通らなかった場合です。
「このところ印税収入がなく、苦しい状況です。ハードバンク社から執筆依頼の誘いが来ています。もしも雷撃文庫のほうで私の企画が通りにくい状況であれば、そちらで頑張ってみたいのですが、お許し願えませんでしょうか?」
デビューした出版社にもお伺いをしっかり立てておくことが重要なようです。
本を出版した場合、吉田さんはいくつかの出版社に自費で献本してるそうです。
献本は、連絡先と「何かあったらご一報ください」と書いた手紙を添えます。
また、企画書の書き方が参考になりました。
必要なのは、
- タイトル(仮題)
- 簡潔なストーリー
- メインキャラクターの紹介
- 完成予定時期
で、枚数は、A4用紙2枚程度だそうです。
企画書を長く書くのではなく、多く書くことを重要してます。
企画書はひとつではなく、いちどに複数提出すべきです。三~五作品を同時に提案すれば、さすがに全滅というケースはまれでしょう。
数打ちゃ当たる戦法です。
小説家として生き残る方法を、私なりにまとめると、
- 自分の書きたいものを面白く書いて、新人賞を受賞する
- 受賞作が本になったら、出版社に自費で献本する
- デビューした出版社に、複数の企画書を出す
- 企画が通れば作品を書く
- 企画が通らなければ、新たな企画を出す
- それでも企画が通らなければ、他の出版社からの依頼を待つ
- 他の出版社から依頼があったら、デビューした出版社にお伺いを立ててから依頼に応える
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